—
本帖被 lavalye 执行加亮操作(2010-03-24)
—
奥 華子連載 「初恋の道 桜並木」 - Chapter.3 特別対談 奥華子×熊木杏里~初恋とラブ・ソング - CDJournal.comプライベートでも親交がある
熊木杏里さん、
奥華子さん。熊木杏里さんの
連載「聴こえる書斎~はなよりほかに」でも好評だった2人の対談が再び実現!今回は奥さんの新曲「初恋」の話を中心に、ラブ・ソングそのものなどについてじっくり語ってもらいました。絶妙のガールズ・トークをお楽しみください!
――まず、奥華子さんの新曲「初恋」に対する、熊木さんの印象から教えてもらえますか?熊木杏里(以下、熊木) 「奥さんのクリスマス・コンサートを観させてもらったんですけど、あのときが初披露だったんですよね?」
奥華子(以下、奥)「あ、そうそう。人前で歌ったのは、あのときが初めて」熊木 「何て言うか、ずっと前から知ってるような感じだったんですよね。すぐに歌えちゃうというか。あと、ものすごく切ないじゃないですか、この歌。よくこんな歌詞が書けるなって――奥さんの頭のなかの8割くらいは“切なさ”で出来てるような気がする」
奥「ハハハハハ!」熊木 「この歌詞、どこまでホント(の体験)なんですか?」
奥「どこまでホントか?っていうのは難しいんだけどね。でも、別れたとき、相手にすがる感じ? “プライドもぜんぶ捨てて……”みたいな のって、自分のなかにもすごくあって。でも、この歌みたいに“別れたあとも友達で”とはいかないんだけどね。杏里ちゃんはどう?」熊木 「いやあ、私もぜんぜんなれないですね」
奥「私も。だから、これは私の願望でもあるんだよね。男っぽいところがあって、サバサバしちゃうからこそ、歌詞のなかには“こんなこと言えたらいいな”っていう言葉が入ってくるっていう」熊木 「あ、なるほど。私は歌詞のなかでも意地を張っちゃうというか、どこか素直に書けないところがあるかも。<初恋>の歌詞はホントにすごいですよね。“あなたが笑顔になる場所は/もうふたりでは行けない場所”って……私はもう、風呂に沈みましたよ」
奥「沈まないで(笑)! でも、そこが曲の核になる部分なんだよね。もう無理だってわかってるし、思い出にできたらいいなって思ってる。でも……っていう。もちろん、聴く人それぞれでいいんですけど」――ふたりのなかで、ラブ・ソングの割合ってどれくらいだと思いますか?
奥「私はすごく大きいですね。この前の対談でも話したんですけど、歌を作る以前に、恋愛そのものがものすごく大きな存在なんです。“人生=誰かを愛すること、誰かと一緒にいること”だったりするので。もちろん自分の音楽にとっても、中心にあるものですね」熊木 「ジャマになることはないですか?」
奥「恋愛が? うーん、そういうことも含めて、恋愛が必要なのかも。“いま、好きな人はいらない”とは思わない。付き合ってから、“この人は要らない”って思うことはあるけど」熊木 「ハハハハハ! もっとひどいじゃないですか」
奥「(笑)だから、片想いしてるときが一番いいのかもしれない。あの、誰でも自分のことが一番大事じゃない?」熊木 「そうですね」
奥「それはそれでいいんだけど、”でも、その人が自分を思うのと同じくらい、私のことを思ってるくれる人はいないかな”って探してるところがあるんだよね。それはもしかしたら、無償の愛って呼ばれるものかもしれないけど」熊木 「私はそこまで深く考えてなくて、もうちょっとシンプルかも。とりあえず付き合ってみて、壁にぶち当たったら考えるっていう。ラブ・ソングについても、奥さんと比べてぜんぜんつきつめてないと思うし」
奥「じゃあ、テーマとして大きいのは?」熊木 「自分自身の生きている姿勢、みたいなものかな」
奥「あ、そうだね。自分の人生をすごく反映してるような気がする、杏里ちゃんの歌って。熊木 「そのほうがリアリティが出るかなって思うんですよね」
奥「そこもぜんぜん違うね。私は“奥華子を切り取って見せたい”とは思ってなくて、作品は作品っていう感じだから」――ある程度、自分自身とは切り離されてる?
奥「そうですね」熊木 「たとえば、<初恋>を歌ってるときに誰かを思い浮かべたりとか……」
奥「まったくない、それは。だって、失恋ソングを作ったとして、その相手の人のことを思い出したりする?」熊木 「もちろんします」
奥「え、そうなの!?」熊木 「え、何ですか?(笑)」
奥「じゃあ、歌ってるときにつらい気持ちになったりすることもあるの?」熊木 「それもありますね。<君の名前>とかもそうだし。だから、歌詞が覚えられないってことはぜんぜんないんですよ。すべて生身の自分から出てきた言葉だから」
奥「それはすごいと思う、いつも。私はぜんぜん歌詞が覚えられないんだよね(笑)。曲を書くときに“ここにはどんな言葉がハマるかな”ってパズルみたいな感じになってるので。熊木 でも、だからバランスがいいんでしょうね。<初恋>にしても、確実に女子に伝わる曲だと思うし」――もし 熊木さんが「初恋」というタイトルで曲を書いたとしたら、奥さんの「初恋」とはぜんぜん違うものになりそうですね。熊木 「そうですね……。奥さんの<初恋>って、初恋っていう言葉からイメージするものといい意味でリンクしないんですよね。もっとオトナの恋愛というか」
奥「ホントに人を好きになったときの気持ちだからね」熊木 「いいですよね、明確で。もし私が書くとしたら……すごく難しいですけど、やっぱりいちばん好きだったときの気持ちを書くのかな」
奥「でも、杏里ちゃんの曲って、全体的に初恋っぽいかも。“淡い初恋”っていうイメージがあるというか」熊木 「うん、そうですね」
奥「だからね、ベスト・アルバム(『Best Album 風と凪』)のジャケットは素晴らしいと思う。まさにこういうイメージなんだよね。水彩画っぽいというか、いろんな色が溶け合って、混ざり合って」熊木 「実際の恋愛も、いつも“初めての恋”っていう感じかも。振り返ってみても、“あの人がいちばん好きだった”とかないんですよ」
奥「そのなかでも、絶対に忘れられない人とか、特別な人っていない?」熊木 「うーん、すべて同じかなあ。あと、フラれた次の日に(相手の男性に対して)“幸せになってほしいな”って思ったりするし」
奥 「フラれた次の日に? 前向き過ぎない?(笑)」
――恋愛観も楽曲に対するスタンスもまったく違いますね。ふだん聴いてる音楽も違うんですか?
奥「違うよね。私、洋楽はほとんど聴かないし」熊木 「邦楽だとどんな方を聴いてるんですか?」
奥「好きなのはマッキー(槇原敬之)、ユーミン(松任谷由実)、小田和正さんとか」熊木 「小田さんとユーミンは私も聴きます。あとは洋楽が多いんですよね、
ノラ・ジョーンズとか。作家の
江國香織さんが大好きなんですけど、彼女の作品のなかに出てくる音楽を聴いてみることもあるし」
奥「洋楽って、すぐに歌詞が入ってこないでしょ? 私はとにかく、歌詞カードをじっくり読みたいから」熊木 「そこもホントに違ってて(笑)、私はいま、メロディのほうが重要なんですよね。詞については、“まかせて”っていう感じもあって」
奥「どんどん出てくるんだ?」熊木 「書けるっていう感覚はありますね」
奥「それを吐き出すために、(メロディを)入れないといけないのかもね」熊木 「うん、それはあるかも」
――ホントに真逆ですねえ。共通点ってないんですか?熊木 「ありますよ。ごはん食べに行ったとき、メニュー選びで迷わないとか」
奥「あと、あんまり気にしないでいいんですよね、お互いに。人によってはつい気を遣ってしまって、疲れることもあるんだけど、杏里ちゃんに対してはそれがぜんぜんない」熊木 「そうですね。一緒に飲みに行ったとき、途中で電話がかかってきて、外で40分くらい話しちゃったことがあるんですよ。そのときも奥さん、ぜんぜん気にしてなかったし」
奥「“ぜんぜんいいよー”みたいな(笑)」――一緒にいてラクって、恋人として最高じゃないですか?熊木 「ハハハハハ! 女でごめん(笑)」
奥 「いや、それは違うんですよ。男の人には寄りかかりたいし、私も頼ってほしいので」
取材・文/森 朋之(2010年3月)
撮影/関 暁